タカハラ整形外科クリニック

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スタッフコラム

2024.11.06vol.115変形性膝関節症と立ち上がり動作~膝関節の負担を減らす立ち上がり方~

神経系から生じる慢性疼痛

変形性膝関節症とは?

変形性膝関節症(以下、膝OA)は関節軟骨の変性を基盤とした運動器疾患で、座位後の立ち上がりや歩き始め等の動作開始時に膝関節痛を訴えることが多く、特に中高年女性は有病率が高いといわれています。

例えば、両足を膝よりも前方に出し背中を丸めて座っている状態から立ち上がり動作を行うと、重心の移動距離(座位姿勢で、臀部から両足の距離)が長くなり、膝関節への負担が増大し膝痛が発生するリスクが高まります

また、上記の方法で立ち上がる(両足の位置が膝関節よりも前方にある)と体重支持が十分にできなくなり、半月板への負担も増すことが考えられます。

近年では高齢者の膝OAと内側半月板損傷の有病率との関連が報告されており、男女75歳以上の約半数は初期の膝OAでも半月板逸脱が生じている可能性が示唆されています(金子・石島 2020)。
そのため、内側半月板逸脱(内側半月板の横移動)が関節軟骨の摩耗に関与していることはコンセンサスが得られています(Emmanuel K 2016)。

更に円背のある膝OAの方は、立ち上がり動作時に重心の移動距離が長くなり、立ち上がり後の歩行一歩目が出にくいため、立ち上がる際には膝の真下から後方に足を位置させれば重心の移動距離が短くなり、半月板への負担減になります。
タカハラ整形外科クリニックではレントゲン撮影と医師の診察後、膝OAに対する保存的治療(薬物・注射・運動療法)を行っており、リハビリ室では膝関節への負担を減らす立ち上がり動作の指導等も行っています

膝OAの診断を受けている方や立ち上がり・歩行開始時に膝関節痛のある方は医師もしくは理学療法士へお気軽にご相談下さい。

対象者
  1. 変形性膝関節症と診断された方
  2. 膝の痛みで悩んでいる方
  3. 立ち上がり動作を改善したい方
専門スタッフ(理学療法士)が実施すること
  1. 動作分析(立ち上がり・歩行動作)や足底圧測定
  2. 効率的な立ち上がり動作の指導
  3. 運動療法(関節可動域運動と下肢筋力運動)
  4. 足底板・膝装具の指導
期待される効果
  1. 膝関節の負担を減らす立ち上がり動作の獲得
  2. 転倒予防
  3. 膝関節痛の改善