タカハラ整形外科クリニック

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スタッフコラム

2022.01.06vol.81呼吸筋トレーニング知っていますか?

呼吸筋トレーニング知っていますか?

みなさんは呼吸について考えたことはありますか?
人は1分間に12~20回呼吸しており、1日分に換算すると最大約2万9000回と言われております。体を動かすと呼吸の回数は増え、運動時は普段の5倍、1分間に80回になることもあります。 逆に寝ている間は呼吸が普段の半分程度になり、1分間に8回程度に減るというデータもあります。

日常生活の中ではゆっくりとした「安静時呼吸」と言われている呼吸を主に行っていて、横隔膜や肋間筋・腹筋群が働いています。運動時には「努力時呼吸」となり、前述の筋肉に加えて頸部や肩周りの筋肉も働きます。

呼吸法について

呼吸法は、「腹式呼吸」、「胸式呼吸」があります。

  • 腹式呼吸:横隔膜の上下運動によって胸郭が動く
    (横隔膜の運動によって行われる。リラックスしているときに見られる)
  • 胸式呼吸:肋間筋の働きで胸郭が前後左右に動く
    (息をするたびに肩甲骨周囲の筋肉が上下する。興奮・緊張状態のときになりやすい)

どちらか一方ができればいいというわけではなく、両方とも大切で、状況によって無意識に使い分けています。

不適切な呼吸とは?

日頃の運動不足や長時間のデスクワークなどで、猫背姿勢になっていると、横隔膜が正常に働きにくくなるため、補助的に肩甲骨周囲の筋肉が呼吸を行うために働きます。また、痛み刺激などのストレスなども呼吸中枢を刺激し、適切な呼吸を妨げてしまいます。そのため、肩甲骨周囲の筋肉が慢性的に疲労し、“肩凝り”を感じやすくなってしまいます。
そして、日頃から不適切な呼吸が続くと、胸郭(背骨と肋骨で囲まれている部位)の動きが硬くなり、骨盤の動きや、全体の姿勢にも影響を与えてしまいます。

理学療法について

タカハラ整形外科クリニックでは、患者様一人一人に適したリハビリテーションプログラムを提供し、歩行テスト、呼吸筋力テストなどを実施し評価をしていきます。対象になる患者さんは、肺気腫、慢性気管支炎、慢性気管支喘息などで呼吸機能が低下し日常生活で何らかの支障をきたすようになった患者さんです。

リハビリテーションプログラムの内容は呼吸法の練習、呼吸筋トレーニング、運動療法、日常生活指導、教育プログラムなどがあります。

  1. 呼吸訓練
    呼吸法には、腹式呼吸(横隔膜呼吸法)や口すぼめ呼吸があり、これらの呼吸法を習得することにより、呼吸数の減少や一回換気量が増大し、運動時の呼吸困難感の軽減の効果が期待できます。
    病態によって効果がない場合や、上手にできない場合もあり、患者様一人一人に適した指導を行っています。
  2. 呼吸筋強化
    慢性の呼吸不全の患者様では、呼吸筋が弱くなったり疲労している場合が多く、呼吸筋を強くするための呼吸筋トレーニングを行います。
    呼吸筋が強くなることで、息苦しさが軽くなったり、長く歩けたり、運動量が増えたという報告が多くあります。また、疲労している場合はトレーニングよりも休息をとることが必要です。
    呼吸筋トレーニングの方法としては、主に腹部におもりをのせて、それを持ち上げるように呼吸する腹部重錘負荷法などがあります。

これ以外にも運動療法やに日常生活指導については患者様一人一人に合ったプログラムを提供しています。皆様もこの機会に呼吸リハビリや、呼吸に意識を向けてみてはいかがでしょうか。