2023.10.10vol.102骨粗鬆症と耳石器めまい(良性発作性頭位めまい症)
~ めまいリハビリのススメ ~
耳石器は半規管とともに平衡感覚に関与する内耳を形成し、重力方向、すなわち直線加速度を感知します(半規管は回転加速度を感知)。耳石器めまいは、耳石が剥がれ三半規管に入り込むことで発症し、頭部の傾きや乗り物・エレベーターに乗った場合など(直線加速度が生じた時)、決まった頭の位置でめまいが起こるのが特徴です。
また、骨粗鬆症は骨量減少に伴い骨が脆弱となり骨折しやすくなる病態です。
骨粗鬆症を有する高齢女性は、耳石器めまいを認める割合が高く、耳石器が剥がれることと閉経後の女性ホルモン分泌の低下が関係していると言われています。
よって、骨粗鬆症の方でめまい症状を合併する方は転倒リスクが高くなるため、転倒予防がさらに必要となってきます。
また、骨粗鬆症の治療で耳石器めまいの発症を予防することも期待され、この点においても早期の骨粗鬆症の治療が望ましいと思われます。
当クリニックでは医師の指示のもと、骨粗鬆症に対する運動療法に併せて、耳石器めまいに対する運動指導(めまいリハビリ)も行っています。
“めまいリハビリ”はNHKの「ためしてガッテン」でも紹介されており、寝ている状態や座った状態で、ゆっくり頭を動かすだけの簡単な体操です。骨粗鬆症やめまいでお困りの方や予防を希望される方は、医師もしくは理学療法士へお気軽にご相談下さい。
対 象 者
- 骨粗鬆症を有する女性の方
- 耳石器めまいの症状のある方
- 転倒リスクのある方
専門スタッフ(理学療法士)が実施すること
- 骨粗鬆症に対する運動療法
- 耳石器めまいに対する運動指導
期待される効果
- 転倒予防
- 耳石器めまいの改善・再発予防