2019.12.02vol.57腰痛と妊産婦
妊産婦のマイナートラブル
- 腰痛
- 足のむくみ
- 便秘・頻尿
- 胸焼け
妊娠中や出産後において腰痛の悩みがある方は多いのではないでしょうか?
上記のほかにも色々な身体の不調が現れますが、その中でも1番多い症状が腰痛です。
腰痛の原因
1. 姿勢からの影響
妊娠中から出産後にかけ女性の姿勢は大きく変化します。
妊娠中は胎児の成長に伴い、上半身の重心が前方へ移動するため、楽な姿勢をとる特徴的な姿勢をとりやすくなります。特に妊娠中期~後期では、立位では増大した体幹の質量中心を骨盤に対して後方へ変位させる sway back 姿勢となりやすく、この姿勢制御をとるためには、脊椎と骨盤のアライメントを変化させる必要があります。
姿勢の変化により脊柱弯曲が変化すると、腹斜筋群と脊柱起立筋群の筋作用の協調不全が生じ、腰背部痛を呈しやすいことが考えられます。
2. ホルモンの影響
妊娠中に分泌されるリラキシンは、骨盤帯の関節弛緩に関与し恥骨結合の広がりは妊娠8~10週から生じます。骨盤帯の関節は、妊娠最終月~産後3週では健常者より32~68%動きかが大きくなります。妊娠中の恥骨結合などの広がりにより、骨盤帯の不安定性かが生じて、腰部~骨盤帯の痛みの原因になると考えられます。
しかし妊娠中や産後の腰痛は、日常生活の姿勢や動作を変えることだけで、腰痛が軽快することもあります。
当院では、女性の方が妊娠中や出産後の生活をより快適に送っていただけるよう、自宅で出来る簡単な運動や日常生活の工夫を指導しています。
理学療法士が行うこと
- 姿勢・動作の観察
- 骨盤ベルトの締め方の指導・工夫
- 日常生活(抱っこ姿勢・おむつ替え)の指導
- 自宅でできる運動指導
以下のような効果が期待できます
- 妊娠中・出産後における腰痛の改善
- 日常生活での不良姿勢を知ることで腰痛予防につながる
- 1人1人の症状に合わせ無理なく運動が出来る