2022.10.03vol.90健康増進に繋がる歩き方 ~歩行速度、気になりませんか?~
歩行速度は遅くなっていませんか?
運動の秋、体を動かすのが気持ちいい季節になりましたが、年齢とともに歩行速度は遅くなっていませんか?
加齢に伴う歩行の特徴的な変化は歩行速度の低下と言われており、これは筋力やバランス機能といった体力要素の低下と関連します。
近年、日本老年医学会における疫学研究において、健康寿命の延長には歩行などの運動機能の影響が大きく、歩行機能を維持することの重要性が示唆されています。特に、高齢者で歩行速度が低下している方は、青信号での道路の横断や電車の踏切を渡る際に早歩きが困難となり、歩行時の地面を蹴る際に必要な下腿三頭筋(ふくらはぎ)の筋力の衰えが原因と考えられます。そのため、歩幅の短縮が生じて歩行速度の低下を招き、転倒のリスク因子になるとの報告もあります。
そこで、転倒予防学会や日本体力医学会では、ふくらはぎの筋力トレーニング及び「インターバル速歩」の効果や有用性が実証されています。インターバル速歩は各個人の筋力や体力に合った適度な強さで運動することができます。
当クリニックでは、医師の診断および指示のもと、「インターバル速歩」や筋力トレーニングの方法を専門スタッフ(理学療法士)が指導しています。以下に該当する方は、医師もしくは理学療法士へ、お気軽にご相談下さい。歩行機能の向上と健康増進を図っていきませんか?
※インターバル速歩:早歩きとゆっくり歩きを数分間ずつ交互に繰り返すウォーキング法(信州大学大学院 能勢博)
対象者
- 歩行速度が低下している方(足の反応速度の低下を含む)
- 下肢筋の持久力低下および足のトラブルでお悩みの方
- 長距離歩行が困難な方
専門スタッフ(理学療法士)が実施すること
- インターバル速歩の指導
- 運動療法 → 下腿三頭筋の筋力増強運動など
期待される効果
- 歩行速度の改善
- 転倒予防
- 体力向上およびサルコペニアの予防